相対論的粒子の波動性と粒子性、及び波束の収縮についての考察(諸行無常と相対論的粒子場のAppendix)
Klein-Gordon方程式のグリーン関数は、以下を満たす。
J1は1次のBessel関数。
このグリーン関数を用いて、相対論的粒子場の満たすKlein-Gordon方程式を解く。
さて、
であり、これは平面波を表している。
ここで、「観測する」という事が物理的に何を表しているのかを考えてみる。一般に源泉から出た波は360度の全方向に放射されるが、観測するということは、この全方向に放射された波のごく一部(ごく小さな立体角)を観測することに他ならない。
つまり「観測する」ということは、「観測装置と源泉との方向が決まる」という事である。
そこで、波数ベクトルkを、観測によって決まったk0でテーラー展開する。
よって、
となるので、平面波は、
と近似できる。よって、
となり、テーラー展開により、包絡線がデルタ関数で群速度が、位相速度がの波束が現れた。
よって、相対論的粒子場のエネルギーは、
となる。
この式は、振幅がS(源泉)で、包絡線がデルタ関数、群速度が、位相速度がの波束が、別のS(観測装置)と相互作用しているという描像を表している。
そして、この波束が、場から顕現した相対論的粒子である。
相対論的粒子は質量があるため、位相速度が波数の関数となり分散性波動の性質を示す。
よって、相対論的粒子場から顕現した波束は、電磁場から顕現した波束とは異なり、時間の経過とともに波束の形状は崩れ、粒子性が永続することはない。