ファインマンの経路積分の畳み込み積における対称性
ファインマンの経路積分量子化の方法では、今この場所の状態関数は、源泉関数と伝播関数の畳み込み積で表わすことが出来ます。
・・・@
とをそれぞれフーリエ変換で表わすと、
・・・A
・・・B
エネルギー・運動量空間側の状態関数は、Bのフーリエ逆変換で表わせるので、
@を代入すると、
更にAを代入すると、
ここに、
と置いた。
つまり、時空間側では、
のように、今この場所の状態関数は、源泉関数と伝播関数の畳み込み積で表わすことが出来ます(今この場所の状態には、あらゆる時刻、あらゆる空間の状態が伝播関数によって運ばれ包み込まれています)が、エネルギー・運動量空間側の伝播関数を、
と置くことにより、エネルギー・運動量空間側の状態関数も、
という様に、エネルギー・運動量空間側の源泉関数とエネルギー・運動量空間側の伝播関数の畳み込み積で表わすことが出来ます(あるエネルギーある運動量で表わせる状態には、あらゆるエネルギー、あらゆる運動量の状態がエネルギー・運動量空間の伝播関数によって運ばれ包み込まれています)。
よって、
あるいは、
となります。
ファインマンの経路積分では、
時間と空間の世界と、エネルギー(振動数)と運動量(波数)の世界とが、見事なシンメトリーになっていることが分かります。
エネルギーと運動量の世界において、
この運動量に、あらゆる運動量が包み込まれています。
そして、このエネルギーには、あらゆるエネルギーが包み込まれています。
時間と空間の世界において、
この一点に、あらゆる宇宙が包み込まれています。
そして、この一瞬に、過去、現在、未来が包み込まれているのです。
例えば、光(ベクトルポテンシャル)の場合、時間空間の世界での畳み込みは、
・・・☆
と表わせ、一方で、
・・・*
であるので(Appendix参照)、エネルギー・運動量の世界での畳み込みは、
・・・★
となります。
そして、これらの「時間空間の世界☆」と「エネルギー・運動量の世界★」は、*のフーリエ変換でお互いに結びついています。
Appendix(ファインマンの経路積分から見た描像を使ったベクトルポテンシャル、電場、磁場の計算)