精神と物質

2004/8/20
精神と物質(シュレディンガー)より

精神は、まさにその特性からして単一のものなのであります。一切の精神は一つだと言うべきでしょう。私はあえて、それは不滅だと言いたいのです。なぜなら、精神は特別の時刻表をもっておりまして、精神にとっては常に「いま」があるのみなのですから。まことに精神にとりましては、過去も未来もありません。記憶と予想を包み込んだいまがあるのみです。だが私は、私たちの(西洋の)言葉はこれを表現するには適さないということも認めるものです。また私は−誰かが指摘するかもしれませんが−右の主張を宗教について述べているのであって、自然科学に対して示しているのではないということも認めます−けれども宗教は科学に対抗するものなのではなく、むしろ宗教は、これとかかわりのない科学的な研究のもたらしたものによって支持されもするのであります。





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